《職場の教養に学ぶ》
お題:阿波人形浄瑠璃の魅力
2026年10月18日(日曜)
【今日の心がけ】伝統文化に対する感性を養いましょう
砂川昇建の思うところ
阿波人形浄瑠璃は「見る前に想像するもの」と「実際に見たもの」の落差がかなり大きい芸能だそうです。「人形劇でしょう?」と思って行くと、途中から人形を見ている感覚が薄れて、親子や夫婦、生身の人間の悲劇を見ている感覚に変わっていく。そこに300年以上残ってきた理由があるのだと思います。鳴門市も阿波人形浄瑠璃を「300年余りの伝統」としています。阿波人形浄瑠璃は、太夫の語り+三味線+人形の三つで一人の人間の感情を作ります。しかも一体の人形を三人で操ります。阿波では野外の農村舞台で発達したため、文楽より大きめの頭を使い、遠くの観客にも伝わるよう大きな動きをする独自の様式が生まれました。ところが、不思議なことに最初は気になる黒衣の人形遣いが、しばらくすると目に入らなくなります。そして、人形が振り返る。少しうつむく。手を伸ばしかけて止める。たったそれだけの動作から、「この人は本当はこうしたいのだろう」という感情を、観客自身が補ってしまう。映画のように俳優の表情を全部見せないからこそ、逆に観客の想像力が入り込む余地が大きいようです。歌舞伎も見た事がない人は興味がないのでしょうが、見た人の話しを聞くと最後は号泣するそうです。やはり伝統芸能は何か人の心を掴むものがあるのですね。
著者 砂川昇建




