《職場の教養に学ぶ》
お題:もうはまだなり、まだはもうなり
2025年10月5日(日曜)
【今日の心がけ】想定外の事態に備えましょう
砂川昇建の思うところ
「まだはもうなり、もうはまだなり」これは相場格言のひとつで、要するに 「欲や恐れに振り回されると判断を誤る」 という警句です。「まだ上がるだろう」と思った時が、天井に近い(=もう下がる)「もう下がり切っただろう」と思った時が、底ではなく、さらに下がる。つまり「相場の未来を自分の思惑で決めつけるな」という教えです。直感や欲望に従いすぎると逆を突かれる、という人間心理の危うさを表現しています。打ち消し合う格言の意味。投資や人生の格言には「逆の内容」が並存することが多いです。たとえば、「石の上にも三年」⇔「三年待ってもダメなものはダメ」「損切りは早く」⇔「辛抱が実を結ぶ」これは「唯一の正解はなく、状況次第」という現実を示しています。つまり格言は「普遍的な法則」ではなく「気をつけるべき視点」を教えているのです。「危険を分散する」という大切さ。結局のところ、時間軸を分散(短期・中期・長期で考える)資産を分散(株、債券、不動産、現金など)リスクを分散(一つのシナリオに賭けすぎない)これが不確実な未来へのもっとも堅実な対応策です。格言の「まだはもう」「もうはまだ」は、一瞬の判断の危うさを教えているにすぎず、大局的には 「未来は予測不能だから、ひとつに賭けない」 という学びにつながります。投資から人生へ。この姿勢は投資だけではなく人生全般にも通じます。人間関係も「一つの縁」だけに依存しない。仕事のスキルも「一芸」だけでなく複数持っておく。心の拠り所も「お金」だけではなく、仲間や趣味を持つ。つまり 分散はリスク回避であると同時に、豊かさの源泉 でもあるのです。「まだはもう、もうはまだ」は「思い込みを捨てよ」という警句であり、実際の行動の基軸は 分散・柔軟性・時間軸の複眼化 にある、と言えるでしょう。
著者 砂川昇建




