《職場の教養に学ぶ》
お題:妻への手紙
2025年9月24日(水曜)
【今日の心がけ】手書きの魅力を見直しましょう
砂川昇建の思うところ
ある採用担当者の話です。応募者が多く、履歴書を一通り目を通すだけでも大変な中、手書き文字がとても丁寧で読みやすい履歴書がありました。字の形が揃い、余白の取り方もバランスが良い。特別な経歴があるわけではないのに「この人はきっと几帳面で、仕事も丁寧にやるだろう」と印象に残ったそうです。結果、その応募者は面接に呼ばれ、最終的に採用されたとか。明治維新の志士、西郷隆盛は字が達筆で、しかも力強い書体でした。彼が出す書状や署名は読む人に迫力や誠実さを感じさせ、「西郷どんは人物が大きい」という評判につながったと伝えられています。つまり、字そのものが人柄や存在感を表す要素となったわけです。昔から「字は人なり」と言われるほど、文字には書き手の性格や姿勢がにじみ出ると考えられてきました。昔は武士や文化人の書状を見れば、その人がどれほど学んできたか、師匠に誰を持つかまでわかることがありました。現代でも、履歴書や直筆のメモで「この人は字に気を配れる」という印象がつきます。これは「育ち」「習慣」「価値観」といった背景を映しているとも言えます。字は心を表す(感情・性格・人柄)字は品を表す(教養・背景・姿勢)と表現できるでしょう。
著者 砂川昇建




