《職場の教養に学ぶ》
お題:社員旅行
2026年9月12日(土曜)
【今日の心がけ】コミュニケーションをとりましょう
砂川昇建の思うところ
昔の社員旅行や飲み会には、もちろん窮屈さもありました。「参加して当然」という文化まで復活させる必要はありません。ただ、その文化がなくなる過程で、私たちは面倒な人間関係と一緒に、人間関係を育てるための時間まで手放してしまった面があります。会社で考えると、社員旅行や飲み会の本当の価値は、お酒や旅行そのものではなかったはずです。普段は厳しい上司の意外な一面を知る。違う部署の人とくだらない話をする。先輩の失敗談を聞く。仕事では言えなかった悩みを話す。そういう目的のない時間の中で、「この人はこういう人なんだ」という理解が生まれていました。これは一見、生産性がありません。しかし、人間関係ではこの「無駄」が重要です。仕事上の指示だけをやり取りしている二人より、一緒に食事をして笑った経験のある二人のほうが、問題が起きたときに「あの人なら話してみよう」と思える。その小さな信頼の蓄積が親睦なのだと思います。スマホは非常に便利です。問題はスマホそのものではなく、人と人との間にあった「何もすることのない時間」を、スマホが埋め尽くせるようになったことです。昔なら電車を待ちながら話した。食事が来るまで話した。家族でテレビを見ながら話した。社員旅行の移動中に先輩の昔話を聞いた。今は少し沈黙するとスマホを見ることができます。つまり失われつつあるのは、「重要な話をする時間」以上に、どうでもいい話から大切な話へ偶然つながっていく時間なのではないでしょうか。子どもや若い社員に「もっとコミュニケーションを取りなさい」と言っても難しいのは、このためです。コミュニケーションは目的として命令すると、途端に苦しくなります。スマホを置いて会話力を磨きましょう。
著者 砂川昇建




