《職場の教養に学ぶ》
お題:人は皆わが師
2025年6月20日(金曜)
【今日の心がけ】周囲の人から謙虚に学びましょう
砂川昇建の思うところ
「賢者は愚者から学び、愚者は賢者から学ばず」賢者は常に「自分にはまだ知らないことがある」と認識し、相手が愚かであっても、そこから学べることを探します。それに対し愚者は、自分の無知を認められず、賢者から学ぶべきときにも耳を貸しません。これは、知性の本質が「知識の量」ではなく「学び続ける姿勢」にあることを示しています。賢者は愚者から何を学ぶのか?愚者の言動を通じて「何をすべきでないか」「失敗の原因は何か」を学びます。これは非常に重要な学びの形で、ネガティブな例からもポジティブな洞察を得られるのが賢者の資質です。 愚者の行動を観察することで、人間の弱さ、欲、錯覚、執着といった根本的な構造を見抜く訓練にもなります。賢者は愚者を通して「人間とは何か」という命題に対する理解を深めます。愚者に向き合う過程で、苛立ちを超え、相手を導こうとする忍耐や慈悲の心も養われます。「無知なる者を見捨てず導く」という徳の実践でもあります。「益者三友」:直なる者、諒なる者、文なる者→ まっすぐで誠実な人、誠意ある人、学問や教養ある人が、学びにとって望ましい友とされています。一方で、「損者三友」:便辟なる者、善柔なる者、便佞なる者→ ご機嫌取り、おべっか使い、口達者な者、これらは有害とされています。「益者三友」は能動的に交わるべき人物像です。一緒にいて成長できるからです。「愚者から学ぶ」という格言は、あえて愚者と付き合えと言っているのではなく、「望まぬ相手からも学ぶ眼差しを持て」という 受動的な姿勢の智慧 を説いています。つまり両者は矛盾せず、視点が異なるだけなのです。
著者 砂川昇建




