《職場の教養に学ぶ》
お題:きっぱりとやめる
2025年3月9日(日曜)
【今日の心がけ】やめる勇気を持ちましょう
砂川昇建の思うところ
サンクコスト(Sunk Cost) とは、すでに支払ってしまい、取り戻すことができない費用のことを指します。この費用は今後の意思決定には影響を与えるべきではないとされています。 しかし、私たちはこのサンクコストに引っ張られ、非合理的な判断をしてしまうことがよくあります。これを 「サンクコスト効果(sunk cost fallacy)」 といいます。行動心理学では、人間がなぜサンクコストに引っ張られるのかを研究しています。① 損失回避バイアス、 人間は「得をする喜び」よりも「損をする痛み」を強く感じる傾向があります。そのため、「ここまで投資したのにやめると損だ」という心理が働き、撤退をためらいます。② 一貫性の原理、「自分が過去にした選択を正しいものだと証明したい」という心理が働きます。一度始めたことを続けることで「自分の決定は間違っていなかった」と納得したくなるのです。③ コンコルド効果、超音速旅客機「コンコルド」の開発にかけた膨大な費用が無駄だとわかっていても、国のメンツや投入資金の多さから開発が続けられた事例から名付けられました。組織や国家レベルでもサンクコストに囚われることがあります。サンクコストを回避する方法。「過去にどれだけ投資したか」ではなく、「これからの時間・お金・労力をどう使うべきか」を考える。感情ではなく、冷静なデータや事実を基に判断する。「○○円損したらやめる」「半年後に改善しなかったら撤退」など、事前に基準を決めておく。
著者 砂川昇建




