《職場の教養に学ぶ》
お題:空き家の問題
2025年8月26日(火曜)
【今日の心がけ】地球の課題に目を向けましょう
砂川昇建の思うところ
日本は世界でもっとも高齢化が進んでいる国のひとつです。2025年には「団塊の世代」が後期高齢者(75歳以上)に達し、社会保障や住環境の問題が顕在化しています。高齢化により、都市部で暮らしづらくなった高齢者が地方に残ったり、逆に子ども世代が都市部に出ていったりすることで、地方に「使われない住宅=空き家」が増える傾向があります。総務省の調査(2018年時点)では、日本の住宅の約13.6%(846万戸)が空き家。2030年代には3軒に1軒が空き家になるとも予測されています。首都圏の新築マンションの平均価格は2023年に過去最高の1戸あたり約6,900万円に達しました。東京23区内では1億円を超えることも珍しくなくなっています。背景には「低金利」「富裕層や投資家需要(特に外国人)」「建築コストの高騰」があります。都心では、数百億円規模の超高級マンションやペントハウスも存在します。こうした「突出した価格帯」は平均値を押し上げるため、実態を表すには中央値(価格を低い順に並べた真ん中の値)のほうが適切です。実際、中央値でみると平均ほど高騰していないことも多いです。少子化・人口減少 → 住宅需要減少 → 不動産価格下落、というのが一般的な経済学的な見通しです。地方では実際に住宅価格や土地価格が下落し続けています。空き家率も地方が高いです。人口減少の中でも「都市への人口集中」が起きているため、東京都心・大阪中心部などでは需要が集中し価格が上昇。特に投資マネーが流れ込み、「実需(住む人の需要)」より「資産運用・投資商品」として価格が上がっている側面が強いです。日本では 「空家等対策の推進に関する特別措置法(2015年施行)」 に基づいて市区町村が中心となり対策を行います。空き家は基本的に 個人の資産 なので、原則として行政が勝手に没収することはできません。危険な状態(倒壊の恐れ、衛生害、治安・景観の悪化)にある場合は「特定空家」に指定できます。定空家に指定されると、助言・指導 → 勧告 → 命令 の順で是正を求められる。勧告を受けると 固定資産税の優遇(住宅用地特例)が外れ、税負担が最大6倍に増える。日本には 所有者不明土地・建物問題 があり、相続登記がされないまま放置される例が多いです。所有者が不明な空き家は、行政がすぐに没収できるわけではありません。所有権は憲法で強く守られているため、強制的に国や自治体のものにすることはできないのです。
著者 砂川昇建




