《職場の教養に学ぶ》
お題:産業の米
2025年1月31日(金曜)
【今日の心がけ】時代の変化に対応しましょう
砂川昇建の思うところ
産業の米とは、経済発展をささえた「鉄鋼」などを指すようです。現代は半導体などに移行しつつあるようです。鉄は主に恒星の核融合によって生成されます。恒星の内部で水素やヘリウムが融合し、より重い元素(炭素、酸素、ケイ素など)が生成され、最終的に鉄まで達すると、核融合が止まり、重力崩壊によって超新星爆発を引き起こします。このとき、大量の鉄が宇宙空間にばらまかれます。超新星爆発によって飛散した鉄が、宇宙塵や隕石の形で地球形成時に集積し、地球内部や地殻に取り込まれました。地球内部のマントルやコア(核)は大量の鉄を含んでおり、特に地球の外核は主に液体の鉄とニッケルで構成されています。初期の地球では、海水中に多くの鉄イオン(Fe²⁺)が溶け込んでいました。しかし、約27~24億年前にシアノバクテリアが光合成を開始し、酸素(O₂)を放出しました。これにより、海水中の鉄イオンが酸素と反応し、不溶性の酸化鉄(Fe₂O₃)として沈殿し、**縞状鉄鉱層(Banded Iron Formation, BIF)**が形成されました。これが、現在の鉄鉱石(ヘマタイト、マグネタイトなど)として採掘される鉄の主要な供給源です。最も古い鉄の使用例は**隕石由来の鉄(隕鉄)**です。最古の鉄製品としては、紀元前3200年頃のエジプトのビーズが知られています。これはニッケルを多く含む隕鉄製であることが分析により判明しています。紀元前1500年頃にヒッタイト人(現在のトルコ地域)が鉄の精錬技術を発展させ、地球の鉄鉱石を還元して金属鉄を取り出す技術を確立しました。これにより、青銅器よりも強度の高い鉄器が普及し、文明の発展に大きく寄与しました。
著者 砂川昇建