《職場の教養に学ぶ》
お題:親しい仲こそ
2026年11月10日(火曜)
【今日の心がけ】慣れずに甘えず行動しましょう
砂川昇建の思うところ
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉は、人間関係の本質を表していると思います。特に床屋や美容室は、何年、何十年と通うことがあり、店主と客の間に親近感が生まれやすい場所です。しかし、親しくなることと、なれなれしくなることは違います。私は、その境界線は、「親しさが増しても、相手への敬意が減らないこと」にあると考えます。例えば、10年間通っている床屋があったとします。店主は、お客様の好みを理解し、何も言わなくても希望する髪型に仕上げてくれる。これは素晴らしい信頼関係です。しかし、次のようなことが起きると、関係が変わってきます。敬語だった言葉遣いが、いつの間にか友達口調になる。 お客様の私生活について、遠慮なく質問する。お客様の意見に対して、軽々しく反論する。冗談のつもりで、容姿や年齢をからかう。長年の常連だからと、接客が雑になる。店主は親しくなったと思っていても、お客様は「少し失礼ではないか」と感じることがあります。ここには、親密さに対する認識のずれがあります。店主は「もう気心の知れた仲だ」と考える。お客様は「長く通っているが、友人になったわけではない」と考える。この認識の違いが、不快感につながるのです。人間関係には「距離感」という美学があるだと思います。私は、人間関係には適切な距離が必要だと思います。近すぎると遠慮がなくなり、遠すぎると信頼関係が生まれません。親しくなっても礼儀を失わない人には、ある共通点があるように思います。それは、相手が自分に何を許してくれているかを、勝手に決めないことです。例えば、相手が笑ってくれたからといって、その冗談を喜んでいるとは限りません。相手が何も言わないからといって、不快に思っていないとは限りません。そして、長年付き合っているからといって、相手のすべてを理解しているわけでもありません。こうしたことを理解している人は、自然に礼儀を守ることができます。つまり、長い付き合いによって省いてよいのは説明であって、敬意ではないという事ですね。
著者 砂川昇建




