《職場の教養に学ぶ》
お題:見合す
2025年1月22日(水曜)
【今日の心がけ】交流の機会を持ちましょう
砂川昇建の思うところ
遊びが楽しく感じられ、仕事が苦痛に感じられる心理の違いは、行動心理学や脳心理学の研究によってある程度解明されています。自己決定理論の思考では、行動心理学によれば、人は自分で行動を選び、コントロールできると感じたとき、内的な満足感を得られます。遊びは通常、自分が「やりたいからやる」という内発的動機に基づくため、楽しいと感じられます。自由な選択が許される遊びは、ストレスを軽減し、好奇心を引き出すため、ポジティブな体験をもたらします。遊びの中で、挑戦が自分のスキルレベルに適していると感じると、時間を忘れるほどの没頭感(フロー状態)を得られます。遊びには「達成感」や「報酬」が伴います。たとえば、ゴルフで良いスコアを出すことや、ゲームで勝つことが楽しさを高めます。仕事は遊びとは異なり、他人からの評価や報酬(給与など)が動機の中心となることが多いです。仕事には期限やノルマ、上司からの評価など、プレッシャーや義務感が伴います。これにより、自分が自由に選択できる感覚が減少し、ストレスや苦痛を感じやすくなります。ゴルフなどの遊びでは、スコアや結果がすぐに見えるため達成感を得やすいですが、仕事では成果が見えにくい場合が多いです。フロー理論では、スキルが課題の難易度と釣り合っているときに「楽しい」と感じられます。ゴルフや土木作業で棒を振ることを楽しいと感じるのは、その活動がスキルアップや挑戦を伴い、成長を実感できるからです。楽しいと感じる活動には、「意味」や「目的」が明確であり、自分自身にとって価値のあるものです。「遊びのように楽しい仕事」を作るには、仕事に意味や目的を見出し、自分の内発的動機に結びつけることが重要です。自分のスキルを磨き、課題とのバランスを取ることで、仕事でもフロー体験が可能になります。遊びと仕事の違いは、内発的動機、自己決定感、スキルと課題のバランスにあります。しかし、仕事も工夫次第で遊びのように楽しくできる可能性を秘めています。
著者 砂川昇建