《職場の教養に学ぶ》
お題:恩送り
2025年3月12日(水曜)
【今日の心がけ】後輩をサポートしましょう
砂川昇建の思うところ
恩送り(おんおくり)**とは、誰かから受けた恩を、その人に直接返すのではなく、別の誰かに送る(返す)ことを指します。これは、日本の文化に根付いた価値観で、「自分が受けた親切や助けを、次の世代や他の人に繋げる」という考え方です。東日本大震災の際、阪神・淡路大震災の被災者が「かつて助けてもらった恩を次の被災地に」と支援を行った。自分が若い頃に席を譲ってもらった経験があると、年を取ったときに他の人に席を譲る。自分が先輩に育ててもらった恩を、次の後輩に返していく。恩送りは、日本の「お世話になった人には恩返しをするだけでなく、社会全体に恩を循環させる」という価値観から生まれています。海外にも似たような概念がありますが、日本のように強く根付いているわけではなく、国や文化によって形が異なります。アメリカやヨーロッパでは「Pay It Forward」という考え方があり、恩送りに似ています。インドや仏教圏では、「良い行いをすれば、それが巡り巡って自分に返ってくる」というカルマの法則がある。恩送りというより、「善行を積むことで良い運命を引き寄せる」という考え方に近い。アフリカには「Ubuntu(ウブントゥ)」という哲学があり、「私はあなたがいるから私である」という相互扶助の考え方。コミュニティ全体で助け合い、受けた恩を社会に返していく精神がある。私達は生きているのではなく、生かされているのですね。
著者 砂川昇建




