《職場の教養に学ぶ》
お題：犬が苦手
2025年3月27日(木曜)
【今日の心がけ】苦手な物にも歩み寄りましょう
砂川昇建の思うところ
犬嫌いが犬を好きになる話です。感情に関する判断—例えば「好き」「嫌い」「面白い」「つまらない」などは、さまざまな要因が絡み合って形成されます。これには心理学、脳科学、社会的要因などが影響を与えています。具体的にどこから来るのか、どのようにして「面白い」「つまらない」などの感情が生まれるのか。感情に関する判断—例えば「好き」「嫌い」「面白い」「つまらない」などは、さまざまな要因が絡み合って形成されます。報酬と快感の学習（強化学習）: 脳は報酬を得ることで快感を感じ、モチベーションが高まります。この報酬は生理学的にドーパミンという神経伝達物質によって調整されます。人間は進化の過程で、快適な経験と危険を避ける経験を記憶し、それを基に行動を選択してきました。これにより、心地よいもの（例えば食べ物や安定した環境、社会的なつながりなど）には「好き」や「面白い」といったポジティブな感情を抱き、危険やストレスを伴うもの（例えば猛獣や危険な環境）には「嫌い」や「つまらない」というネガティブな感情を持つように進化したと考えられます。心理学的には、人間の感情はしばしば過去の経験と学習に基づいています。具体的には、古典的条件づけ（パブロフの犬の実験など）やオペラント条件づけ（スキナーの箱）などのメカニズムにより、特定の状況や経験が「嫌い」「面白くない」といった感情と結びつくことがあります。これらは無意識的な学習であり、苦手なことが不快な経験として記憶に残り、その後も避ける傾向を強めます。生理学的な観点から見ると、感情は脳内の神経伝達物質やホルモンによって大きく左右されます。例えば、ドーパミン（報酬系に関わる神経伝達物質）は「喜び」や「楽しさ」に関連しており、これが分泌されると、人は活動を続けたくなる傾向があります。逆に、コルチゾール（ストレスホルモン）が分泌されると、不安やストレスを感じ、嫌悪感やつまらなさを感じることが多いです。例えば、初めてマラソンやゴルフを始めた時、身体は慣れない運動に対してストレスを感じるかもしれません。しかし、努力を続けるうちに、その行動に対する報酬系（ドーパミン）の反応が強化され、楽しさや達成感が感じられるようになります。人間が「好き」「嫌い」「面白い」「つまらない」と感じる感情は、進化的な適応、学習による条件付け、生理的な反応、脳の可塑性、社会的な影響など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。苦手なことを敬遠するのは、主に不安やストレスを避けようとする自然な反応ですが、それを克服する過程で自己効力感を高め、楽しさを感じることができるのは、脳がその経験に適応していく結果です。この適応力が、成長を促し、新たな「好き」に変わっていく鍵となります。
著者 砂川昇建
