《職場の教養に学ぶ》
お題：高い価値
2025年6月27日(金曜)
【今日の心がけ】深いと問とじっくり向き合いましょう
砂川昇建の思うところ
理念とは、ただの「考え」ではありません。それは、人が「何を目指すか」「どう生きるか」に関する羅針盤のようなものです。理念を持つことで、個人は無数の選択肢の中から、意味を持って行動を選ぶことができるようになります。たとえば、「教育とは高い価値を提示することである」という理念は、単に知識を伝えるのではなく、相手の内面を動かし、人生の方向性に影響を与えることを目指しています。ここには、教育という行為に対する深い価値観が込められているではないかと思います。正義や悪の定義は文化や歴史、社会によって変わります。つまり「絶対的な正義」はこの世界には存在しないかもしれません。しかし、理念は、他者や時代に依存しない、自分自身の「真理」です。それを持つことで、環境が変わろうと、内面の整合性を保ち、ぶれない生き方が可能になります。仏陀の「因縁仮和合」もまた、すべては一時的で条件付きであるという視点を示しつつも、その中で苦しみを超える道を見出す理念に立脚しています。ウィトゲンシュタインが最後に語った「幸福」とは、理屈や論理を超えた、存在としての満足や静けさに近いものです。理念を持つことで、人は日々の行動に意義を感じられるようになります。たとえ困難や失敗があっても、自分の理念に従っている限り、その経験が無駄ではないと思える。これは、心理的な幸福感や充足感と強く結びついています。分かり易く例えると、「星のや」と言う会社の旅館は、正座をしてお客様を出迎えます。「おもてなし」と言う、この会社の「理念」かもしれませんが、会社の利益の為に、土下座をさせていると言う解釈もできます。どちらも、正しいとか悪いとかではなく「理念」が違うだけです。
著者 砂川昇建
