《職場の教養に学ぶ》
お題:会社の歴史
2025年2月11日(火曜)
【今日の心がけ】自社のルーツを知りましょう
砂川昇建の思うところ
建国記念日から会社の歴史と創業を振り返りましょうとの話です。私の半生と会社設立については「手記」として社内報で連載しています。良きリーダーシップのお手本として「貞観政要」があります。『貞観政要(じょうがんせいよう)』は、中国・唐の太宗(李世民)の政治論を記録した書物で、政治の要諦をまとめたものです。「創業」とは、国を創り上げること、すなわち王朝を開き、基盤を築く過程を指します。例えば、唐の太宗は隋の滅亡後、混乱を収め、賢臣を登用し、法制度を整備し、安定した政権を築きました。創業の時期には、挑戦を乗り越え、強い意志を持って改革を推し進めることが重要とされます。「守勢」とは、創業後にその成果を維持し、国家を長く安定させることを指します。政権を維持するには、武力や戦争だけでなく、民の信頼を得る政治が不可欠になります。太宗は、創業期の武功に頼らず、民の生活の安定、法制度の充実、人材登用の公平性を重視しました。守勢の時期には、慢心や腐敗を避け、政治を清廉に保つことが求められます。太宗は、創業と守勢のどちらが難しいかを家臣と議論し、以下のように述べています。「**創業よりも守勢のほうが難しい。**なぜなら、創業期には外敵や内乱に直面し、人々は生き残るために奮闘する。しかし、一度安定すると、統治者や官僚は安逸を求め、腐敗しやすくなる。」。会社経営についても、会社の立ち上げ(創業)よりも、その成功を維持し続けること(守勢)の方が難しい。成功すると経営者や社員が油断し、衰退する可能性が高まる。『貞観政要』における「創業と守勢」の本質とは、創業は苦労して成し遂げるものだが、守勢はその成果を維持するためのさらなる努力が必要である。私達は、成功したのではなく「成功しそうである」と心得て、尚、努力していく必要があるのではないでしょうか。
著者 砂川昇建




