《職場の教養に学ぶ》
お題:農業と生物多様性
2024年12月13日(金曜)
【今日の心がけ】自然の恩恵に感謝しましょう
砂川昇建の思うところ
協生農法とは、農作物を自然生態系の一部として捉え、人間の手を極力加えずに、自然の力を最大限に活用する農業方法の一つです。この農法は、自然の持つ循環機能や多様性を重視し、生態系そのものを管理しながら農作物を育てる点が特徴です。自然界の多様な植物、動物、微生物が相互に助け合いながら生きる仕組みを利用します。単一作物を大量に育てる従来の農法(モノカルチャー)ではなく、多種類の作物を同時に育てることを目指します。土壌改良や除草、農薬の使用を控え、自然の力で作物を育てます。落ち葉や枯れた植物をその場で分解させ、土壌に戻すなど、自然の循環をそのまま活用します。水や肥料の使用も最小限に抑えることで、持続可能性を高めます。協生農法の具体的な方法として、多品種混植があります。異なる種類の作物を同じ畑や田んぼに植え、それぞれの植物が持つ特性を活かして互いを補完し合います。例として、マメ科植物は窒素固定を行い、他の植物に必要な栄養を供給する。 自然放置型の土壌管理を行い、土壌を耕さず、落ち葉や枯れ草をそのまま放置して堆肥化します。害虫対策には天敵となる生物を積極的に利用します。ミミズや土壌微生物が土を豊かにする役割を果たします。メリットとして、農薬や化学肥料を使わないため、土壌や水質を守ることができます。多様な植物や生物が共存する環境を作ることで、生態系が健康な状態に戻ります。化学肥料や大量の水に依存せずに農作物を生産できるため、長期的に安定した収穫が可能です。実際の成功事例として、熱帯地方で広く行われており、コーヒーやカカオと森林を共生させる方法が代表的。協生農法は、持続可能な社会を目指す上で非常に重要なアプローチとされています。地球規模の環境問題や食料不足に対応するため、効率性だけでなく、生態系の回復を重視した農業方法としてさらなる発展が期待されています。
著者 砂川昇建