《職場の教養に学ぶ》
お題:妻のタオル
2023年12月8日(金曜)
【今日の心がけ】気づきを活かしましょう
砂川昇建の思うところ
妻の用意したタオルで車にこぼした飲み物をふき取る事ができた、と言う話です。役に立たないと思っていたのに役に立った話ですね。この話は、孟嘗君の鶏鳴狗盗を思い出します。孟嘗君は、昭襄王に捉えられそうになる。昭襄王の寵姫に頼んで許してもらおうとしたが、狐白裘と引き換えなら頼んでも良いと言う。狐白裘は、すでに昭襄王にあげてしまっていたのが、食客の一人である狗盗(犬のようにすばしこい泥棒)が名乗り出て、昭襄王の蔵から狐白裘を盗んできた。これを寵姫に渡すと、その取り成しによって屋敷の包囲は解かれ、孟嘗君はひとまず危機を逃れることができた。しかし昭襄王の気がいつ変わるかわからない。そこで孟嘗君は急いで帰国の途に着き、夜中に国境の函谷関までたどり着いた。しかし関は夜間は閉じられており、朝になって鶏の声がするまでは開けないのが規則だった。すでに気の変わった昭襄王は追っ手を差し向けており、孟嘗君もそれを察して困っていたところ、食客の一人である物真似の名人が名乗り出た。そして彼が鶏の鳴きまねをすると、それにつられて本物の鶏も鳴き始め、これによって開かれた函谷関を抜けて、田文は秦を脱出することができた。役に立たないと思っていた人物が、孟嘗君の命を救ったと言う話です。
著者 砂川昇建