《職場の教養に学ぶ》
お題:互いを尊重する
2024年9月9日(月曜)
【今日の心がけ】積極的に対話の機会を設けましょう
砂川昇建の思うところ
近代オリンピックの父は、フランスの教育者であり歴史家のピエール・ド・クーベルタンです。彼は、古代ギリシャのオリンピックに着想を得て、平和の祭典としてのスポーツ競技会の復活を提唱しました。その結果、1896年に第1回近代オリンピックがギリシャのアテネで開催されました。以降、オリンピックは4年に一度開催される国際的なスポーツイベントとして続いています。一方、パラリンピックの創設者として知られているのは、ドイツ生まれの神経外科医であるルートヴィヒ・グットマンです。ルートヴィヒ・グットマンは、ユダヤ系の神経外科医であり、第二次世界大戦後、イギリスに移住して医療活動を続けました。彼は、戦争で負傷した兵士たちのリハビリテーションの重要性を認識し、特に脊髄損傷を負った患者たちの治療と社会復帰を目的としたプログラムを始めました。1944年にグットマンは、イギリスのストーク・マンデヴィル病院で脊髄損傷患者のためのリハビリセンターを設立しました。彼はそこで、スポーツがリハビリテーションにおいて重要な役割を果たすと考え、患者たちにスポーツを奨励しました。1948年、ロンドンオリンピックの開催に合わせて、グットマンはストーク・マンデヴィル病院で最初の「ストーク・マンデヴィル競技大会」を開催しました。これは、車椅子使用者のためのアーチェリー競技会で、16人の負傷兵が参加しました。この大会は、後に「ストーク・マンデヴィル・ゲームズ」として知られるようになり、毎年開催されるようになりました。1960年、ローマオリンピックの後に、初の「パラリンピック競技大会」がローマで開催されました。この大会には23か国から400人以上の選手が参加し、正式に「パラリンピック」として知られるようになりました。「パラリンピック」という名称は、「パラプレジア」(下半身麻痺)と「オリンピック」を組み合わせた言葉でしたが、後に「パラ」は「パラレル」(並行)を意味し、オリンピックと並行して行われる競技会としての意味合いが強調されるようになりました。オリンピックの父はピエール・ド・クーベルタンであり、パラリンピックの創設者はルートヴィヒ・グットマンです。それぞれが、スポーツを通じて人々の健康、リハビリ、そして平和と相互理解を促進するための重要な役割を果たしました。
著者 砂川昇建