《職場の教養に学ぶ》
お題:恩の循環
2024年10月23日(水曜)
【今日の心がけ】恩の意識を深めましょう
砂川昇建の思うところ
人間関係や社会において「恩」を理解し、それを返すことは、個人の成熟や社会の健全な維持に欠かせません。弊社では、未経験者にIT研修を実施して、さらに、先輩社員のもとで実務に携われる機会を創生して社会で活躍できる技術者を育成しています。しかし、研修後にすぐ退職する人もいます。これは、受けた恩に対する無関心や短期的な利益への執着が原因の一つかもしれません。倫理・道徳・常識・法律の観点から、そして道元禅師の「生かされている」という思想をもとに考察します。会社が提供する研修の目的は単なる就職支援ではなく、共に成長するための投資です。又、研修の為の「資金」や「講師」、その他、営業にかかわる社員も含めて、皆、先輩社員の努力の賜物です。道元の言葉「生きているのではなく、生かされている」は、自分の存在が他者や環境の支えによって成り立っていることを示しています。自分が利己的に行動すると、他者も同じように自分を利用するのではないかという不安が生じます。これは「投影」と呼ばれ、自分の行動を他者に当てはめる心理メカニズムです。結果として、他人への不信感を募らせ、精神的な不安定さを招きます。他者に対して「不義理」な行動をとっても、何ら罪悪感を感じない人もいますが、その内面的な欠陥が、巡り巡って自身に対して災いとなって降りかかってくるでしょう。何しろ、自分のとった行動は、自分の記憶からは消し去る事は一生できませんからね。
著者 砂川昇建