《職場の教養に学ぶ》
お題:唐草文様
2024年11月4日(月曜)
【今日の心がけ】伝統の心を大切にしましょう
砂川昇建の思うところ
唐草文様の話です。唐草文様は、つる性の植物が絡み合いながら伸びていく様子を図案化した文様です。起源は古代エジプトやメソポタミアまでさかのぼり、その後シルクロードを経て中国や日本に伝わりました。日本では、繁栄や長寿、無限の生命力を象徴する縁起の良い模様とされ、江戸時代以降、風呂敷や着物などで広く使われるようになりました「泥棒=唐草模様」というイメージが定着したのは、昭和期のコントや漫画の影響が大きいとされています。風呂敷は当時の家庭で日用品としてよく使われており、泥棒が侵入先の家で見つけた風呂敷を使って盗品を包んで持ち逃げするという話が広まりました。この「唐草模様の風呂敷」が広く普及していたため、自然と泥棒のイメージと結びついたのですまた、泥棒の格好に定着した「ほっかむり」や「ひげ」も、昭和期の喜劇俳優による演技が由来とされています。特に浅草の芸人・大宮敏充が演じたキャラクター「デン助」の影響が強く、その格好が典型的な泥棒像として知られるようになりました。このように、唐草文様はもともと縁起の良いデザインであったものの、時代の流れでユーモラスな泥棒像とも関連付けられてしまったユニークな歴史を持っています。
著者 砂川昇建