《職場の教養に学ぶ》
お題:空を見上げる
2024年10月16日(水曜)
【今日の心がけ】自然に親しみましょう
砂川昇建の思うところ
宇宙を見上げる話です。10月17日の満月は、月が14%大きく見えるそうです。しかし、月は、現在少しずつ地球から遠ざかっています。その速度は年間約3.8センチメートル程度です。この現象は、月と地球の間の潮汐力が影響しているためです。地球の自転によって海洋が引き伸ばされ、その結果、月の公転にエネルギーが転送されます。このエネルギーのため、月は徐々に遠ざかるのです。数十億年後、月は地球からかなり遠い軌道を周回するようになるとされていますが、その前に地球と月の間の潮汐の影響は平衡に達し、月の遠ざかりは止まると考えられます。この時点で、地球から見た月は同じ場所に見える(地球に対して常に同じ面を向けている)状態になると予測されています。月が地球からエネルギーを奪っているため、地球の自転速度は徐々に遅くなっています。これは、地球の1日が長くなることを意味します。地球の自転速度は、100年間に1日あたり約1.7ミリ秒遅くなるとされています。これは潮汐摩擦による影響で、海水が月の引力に引かれて動く際に、地球の回転にわずかな抵抗を与えているためです。地球の自転速度は今後も徐々に遅くなり、最終的には1日の長さが現在の倍(約50時間)になる可能性があります。このプロセスには数十億年がかかると予測されています。地球の回転軸(地軸)は約23.5度傾いており、この角度が季節をもたらしています。しかし、地球の回転軸は数万年単位で変化しており、これを「歳差運動」と呼びます。地球の回転軸がコマのようにゆっくりと回転する現象で、約2万6千年周期で軸の向きが変化します。この変化により、今後も地球の季節の強弱や気候の変化に影響を与える可能性があります。地球の軸の傾斜も、何百万年から数億年単位でわずかに変動します。現在の傾斜角が大きく変わることは予測されていませんが、何らかの外的要因(例えば大規模な衝突)があれば、変動が起こる可能性もあります。今のうちに、大きな満月を楽しみましょう。
著者 砂川昇建