《職場の教養に学ぶ》
お題:決断にあたって
2023年11月18日(土曜)
【今日の心がけ】決断力を磨きましょう
砂川昇建の思うところ
人間の脳は複雑な判断ができると錯覚しがちですが、実は、脳は怠け者で単純な判断しかできません。これを「行動経済学」から考えてみましょう。人間の脳はエネルギーを節約しようとする傾向があります。情報処理において効率的な手法を選び、複雑な計算よりもシンプルな評価を好むことがあります。 確証バイアスと避難戦略: 人々は既存の信念を守り、自分たちが正しいと感じる情報を優先的に受け入れる確証バイアスに影響されます。これにより、新たな情報に対する抵抗が生まれ、脳がエネルギーを節約しようとするのです。 遅延割引バイアス: 即座の利益を過大評価し、将来のリターンを過小評価する傾向があります。これは、即時の報酬がエネルギーを少なく消費するため、脳が即時の利益を好む結果となります。 簡略化とヒューリスティックの利用: 複雑な情報処理を行うよりも、脳は簡略化された判断やヒューリスティックを使うことを好みます。これにより、意思決定が簡略化され、エネルギーの節約が図られます。 認知バイアス: 既存の信念や意見を裏付ける情報を探し、それに重点を置く傾向があります。 親和性バイアス(Affinity Bias): 類似した背景や特性を持つ人々に対して肯定的な評価をする傾向があります。 損失回避バイアス(Loss Aversion Bias): 損失を避けようとする傾向があり、同じ額の利益と損失に対して損失の方が強く感じられます。 同一性バイアス(In-Group Bias): 自分が属するグループや同一の特性を持つ人々に対して肯定的な評価をする傾向があります。 現在のバイアス(Present Bias): 現在の状況や利益を過大評価し、将来の状況やリターンを過小評価する傾向があります。 遅延割引バイアス(Delay Discounting Bias): 将来のリターンよりも即座の報酬を重視する傾向があります。 私達は、いつも自分が正しい判断しているかのように感じていますが、実は、あらかじめ判断する基準がプログラムされているのです。
著者 砂川昇建