砂川昇建会長ブログ 職場の教養に学ぶ!~転ばぬ先の杖~

砂川昇建 職場の教養に学ぶ!~転ばぬ先の杖~

《職場の教養に学ぶ》

お題:事実と感情

2024年9月22日(日曜)

【今日の心がけ】数字に親しみましょう

砂川昇建の思うところ

100個のくじに9個の当たり、10個のくじに1個の当たりがある2種類のくじがある場合、前者を選択する人がいると言う話です。この状況は、行動心理学や行動経済学において「誤った確率直感」や「確率の錯覚」として説明される現象です。具体的には、人々が確率や割合を直感的に判断する際に、実際の数値よりも自分にとって有利に考えてしまう傾向を指します。100個のくじに9個の当たりがある場合、当たりの確率は9%です。10個のくじに1個の当たりがある場合、当たりの確率は10%です。実際には後者の方が当たる確率が高い(10% vs. 9%)にもかかわらず、前者を選ぶ人がいるのは、「9個も当たりがある」という「絶対数の効果」に引きずられるからです。人は割合よりも絶対数に反応しやすいという心理的バイアスです。人は「9個の当たり」と「1個の当たり」を直接比較し、「9個の方が当たりやすいだろう」と判断することがあります。これは、サンプルサイズや全体の母数を無視して、単純に「当たりの数が多い方が良い」と考える代表性ヒューリスティックによるものです。同様に、比率バイアスとは、当たりの確率をパーセンテージで考えるのではなく、絶対的な数値で比較することで、実際の確率を誤解することです。この例では、「9」という数の大きさが「1」よりも印象的であるため、人々は前者を選択する傾向があります。「朝三暮四」と言う話があります。中国の古い寓話に由来します。ある日、サルの飼い主がエサを減らすために、「朝に3個、夕方に4個のドングリを与える」と言ったところ、サルたちは怒りました。しかし、「朝に4個、夕方に3個のドングリを与える」と言い換えたところ、サルたちは喜びました。エサの合計は変わらないのに、サルたちは順序や見かけの違いに惑わされてしまったのです。「朝三暮四」とくじの選択の話は、どちらも直感に基づく誤った判断や感情に左右される意思決定の例です。人間はしばしば目の前の情報や提示の仕方に惑わされ、論理的・合理的な判断を怠ることがあります。このような心理的バイアスを理解することは、より良い意思決定を行うために重要です。イケメンのホストに騙されないように気をつけましょう。

著者 砂川昇建

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