《職場の教養に学ぶ》
お題:挨拶の成り立ち
2024年11月28日(木曜)
【今日の心がけ】挨拶に思いを込めましょう
砂川昇建の思うところ
「挨拶」という言葉は、もともと仏教用語から来ています。「挨」:押し迫る、相手に働きかけるという意味。「拶」:近づく、迫るという意味。つまり、「挨拶」とは「お互いに近づき、心を通わせる」という意味があり、相手との距離を縮める行為を表します。日本ではこれが人間関係を築く基本的な礼儀として発展し、現在の挨拶文化に至っています。昔のお侍さんはどのような言葉を使っていたのでしょうか?「御意(ぎょい)」主君や上位者に対し、「承知しました」や「おっしゃる通りです」を意味する敬意表現。「拝領(はいりょう)」:「いただきます」や「授かります」という感謝の意を示す。「面目ござらぬ(めんぼくござらぬ)」「申し訳ありません」「お恥ずかしい限りです」を意味する。「いざ候(いざそうろう)」「では参ります」「さあ、行きましょう」という行動を促す表現。主君や上位者に対する挨拶では、礼儀を尽くし、簡潔ながらも敬意を最大限に示す言葉遣いが求められました。例:「御意」「畏まりました」「お言葉感謝いたします」 同輩・同僚との挨拶:同輩や同僚に対しては、よりフランクで親近感のある言葉が使われましたが、礼儀は崩しません。例:「如何(いかが)」「ご機嫌よう」「いざ候」 敵方や戦場での挨拶 例:「これより勝負を仕る(これよりしょうぶをつかまつる)」など、行動を宣言する形。侍は挨拶とともに、深い礼をすることで敬意を示しました。武士特有の姿勢と作法がありました。「座礼」「立礼」などです。侍の挨拶と言葉遣いは、単なる形式に留まらず、相手との関係や自分の立場を深く理解した上で使われていました。その精神を現代のビジネスシーンに取り入れることで、より礼儀正しく信頼感のあるコミュニケーションを実現できます。
著者 砂川昇建